新生児マススクリーニングQ&A
新生児マススクリーニングQ&A
- この検査の目的は?
- 見かけは元気な赤ちゃんでも、生まれつきの病気を持っていることがあります。早くみつけて治療を行えば、知能・発育障害等を防ぐことのできる病気を、早期発見するために行っています。
- どんな病気が見つかるの?
- タンデム質量分析計の導入により、より多くの疾患について検査ができるようになりました。
- 検査は受けなければいけませんか?
- 検査は強制ではありませんが、検査を受けないで後に病気が発症した場合、赤ちゃんに障害が残る事がありますので、全員の方に受けていただく事をお勧めしています。我が国では1977年から全国実施されている障害発生を予防する公的事業です。生まれる赤ちゃんのほぼ全員が受けています。
- 実際にどんな検査を受けるのですか?
- 生後4~6日目の赤ちゃんのかかとから、ごく少量の血液をろ紙にしみ込ませて、専門の検査機関に送り検査します。検査で陽性を示した赤ちゃんは、各地の専門医の診察を受け、必要に応じて治療や生活指導を受けます。
- 検査にお金がかかりますか?
- 検査は無料で受けられます。ただし採血に必要な費用は自己負担となる場合がありますので、こちらは各医療機関にお問い合わせください。
- 検査の結果はどうやって分かりますか?
- 異常が疑われた時は、直ちに採血した医療機関を通じてお知らせします。 正常の場合は、採血の日から15日程度で採血をしてもらった医療機関に結果を郵送します。検査施設への個別の問い合わせは、受け付けていません。
- 再検査(再採血検査)と精密検査の違いを教えてください?
- 検査は強制ではありませんが、検査を受けないで後に病気が発症した場合、赤ちゃんに障害が残る事がありますので、全員の方に受けていただく事をお勧めしています。我が国では1977年か再検査(再採血検査)とは、最初の検査で確実に正常と判断できない時に、念のためもう一度検査することです。再検査は100人にひとり程度の割合で必要となります。初回あるいは再検査の結果、疾患の疑いがある場合には精密検査となります。精密検査は専門の小児科の医療機関で病気かどうか正確に診断するために行う検査です。ただし精密検査をうけた赤ちゃんがすべて患者というわけではなく診断の結果正常となる場合があります。
- 赤ちゃんに病気が疑われた場合、どうなるのですか?
- 採血を受けた医療機関を通じてご連絡致します。その際に精密検査や治療ができる医療機関をお知らせし、ご相談致します。大切な赤ちゃんを守るため、万が一病気が発見されても、速やかに専門的な治療が受けられるように、精密検査医療機関、専門のコンサルタント医師、ならびに地域の保健師が連携をとって支援する体制が整っています。個人情報は、厳重に保護管理しています。
甲状腺から分泌されるホルモンが不足する疾患です。成長の遅れや知能障害がでることがあります。
副腎から分泌される副腎皮質ホルモンが不足する疾患です。発育不良や重度の脱水で緊急を要することがあります。
ミルクに含まれる乳糖のひとつガラクトースがうまく利用できないと、体内にガラクトースが蓄積し身体に深刻なダメージを与えることがあります
食物からとった、たんぱく質が分解されてアミノ酸になります。代謝に不具合があると蓄積したアミノ酸が身体に障害を起こします。どのアミノ酸がうまく利用できないかによって、さらに細かく分類されます。フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、シトルリン血症Ⅰ型、アルギニノコハク酸血症などです。
アミノ酸が分解していく過程で、カルボン酸の形をとる中間代謝体を有機酸といいます。中間代謝過程の不具合のために有機酸がたまって障害を起こします。有機酸の種類によって、さらに細かく分類されます。メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、ヒドロキシメチルグルタル酸血症(HMG)、複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸尿症Ⅰ型などです。
炭水化物からのエネルギーが足りなくなると、中性脂肪から脂肪酸がはずれてそれが代替エネルギー源になります。代謝に障害があると空腹時などにエネルギー産生不全状態におちいります。脂肪酸の種類によって、さらに細かく分類されます。中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症(MCAD)、極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症(VLCAD)、三頭酵素(TFP)/長鎖3‐ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素欠損症(LCHAD)、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ‐1欠損症(CPT-1)、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ‐2欠損症(CPT-2)などです。
*採血方法について*
1.消毒後、足関節を保持します。 | 2.かかとをランセットで刺します。 | 3.しぼらず自然に出てきた血液 |
4.血液をろ紙に吸収させます。 (血液が裏面に染み通るように採血) |
5.血液を4スポット、 円を超える様に採血 |
新生児の採血手技に関する動画情報を大分市医師会立アルメイダ病院様より頂きました。
アルメイダ病院(医療機関者向け)臨床検査部
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新生児マススクリーニング検査室(ページ下部にございます)
「★標準的な採血法のビデオはコチラから」でご覧になれます。